しかし反撃もここまで

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好き嫌いを語ることの怖さ

Category: 雑考  
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正月に友人Tと久しぶりに飲む約束をしたのだけど、話の流れで自分のエロ動画HDDから選りすぐりをDVD-Rに焼いてあげることになった。
そのため、年末は忙しい仕事やら年越しの雑事の合間を縫い、これまで貯めてきた300G程のファイルを整理していたのだが、途中でふと、とても嫌な予感がして作業を中断した。
ジャンルなどを特に意識して選んでいたわけではなかったのだが、自分がいいと思ったエロ動画を数百本もまとめてしまったら、きっと賢いTのことだから「あなたのオススメはやたら後背位が多い。女性を支配したいという潜在意識が表れている」だとか「全動画中、ニーハイ装着率は31%と高率」だとか「あからさまにドS」だとか「本質はゲイ」だとか「今後の付き合い方を考えざるを得ない」とか、よく分かんないけど非常に言い訳しにくい指摘を勝手にしやがるんじゃないか、という恐ろしい不安が頭をよぎったのだ。

そんなわけで、結局その件は「ヌケないけど頭おかしい」動画集をまとめてお茶を濁す、という形で終えた。ふ~、あぶなかったぜ。


似たようなことは「好きな女性のタイプ」でも言える。
良く言われることだが、好きな異性のタイプを表明するのは難しい。
男の場合、ヘラヘラしながらうっかり

1.かとうれいこ
2.優香 
3.小池栄子 
4.黒田美礼 
5.吉田里深


なんて答えようもんなら、
「ボクちゃんは30代後半のおっぱい大好きおじさんです!」
という誰にも何の得もない正確な自分プロファイリングをするようなものだし、

1.広末涼子 
2.上戸彩 
3.新垣結衣 
4.綾瀬はるか 
5.長澤まさみ


とかどんだけ普通なんだよとか、

1.小倉優子 
2.眞鍋かをり 
3.浜田翔子 
4.藤崎奈々子 
5.山川恵里佳


とかどんだけアバンギャルドだよとか、

1.YUKI 
2.本上まなみ 
3.緒川たまき 
4.安めぐみ 
5.はな


とかどんだけ甘えん坊の文系男子だよとか、

1.平野綾 
2.平野綾 
3.平野綾 
4.平野綾 
5.平野綾


とかどんだけライフライナーだよとか、

1.AKB 
2.ももクロ 
3.少女時代 
4.KARA 
5.モー娘。


とかどんだけかもう数えきれないしシラネーヨとか、本人が無自覚のままいろいろ浮かび上がってしまうものがあるわけだ。

まあ自己分析するためならともかく、自分の性的趣向という極私的愉悦を誰だって他人にとやかく言われたくはないものだし、批評じゃなくて単に好き/嫌いなベスト5に冷静な分析なんか付けられたくない、というのが本音だろうが、その分その人の性格や本音を象徴している、という側面は否定出来ないだろう。


さて、AVや好きな異性のタイプに限らず、好きな音楽とか、好きな本とか、好きな映画とかは、その人を端的に現すだろうし、だからこそプロフィール欄に好みのものを挙げたり、映画芸人のコトブキツカサさんみたいな「好きな映画でその人の性格を当てる」という芸が成り立つんだろう。

「コトブキツカサの映画心理分析#1」



だが、そんな中でも王道なのは、やはり「食べ物の好み」だろう。
これは結構ヤバい。


「ふだん何を食べているのか言ってごらんなさい、あなたがどんな人だか言ってみせましょう」
という恐ろしいフレーズがフランスの政治家ブリア=サヴァランの『美味礼讃』という本に出てくるそうだが、確かにいい歳こいて迂闊に「やっぱ二郎のラーメンがサイコーっしょ」とか「きゅうり不味すぎワロタw」とか「お母さんの肉じゃがが一番」とか言うと、バカで味の分からない幼稚な人間扱いをされ得るし、なんでもマヨネーズをかけたり味の素をかけたりしたら死ねとまで言われかねない

yuuzan.jpg

美味礼賛美味礼賛
(1996/06)
ブリア サヴァラン

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なぜ食べ物が重要かと言えば、多くの場合、食べ物はその人の中長期的なアイデンティティそのものだからだ。
それはたとえば「舌が肥えている」「食は三代」のようなスノッブな保守、伝統、階級的なものの象徴だったり、「自然食」「無農薬」「スローフード」のような主義思想そのものだったり、ネット上での「キャラ弁」や料理写真の共有のような好意や共感や自己愛や優越感として表出する。
「食べ物を語る」という行為は、語り手の意図の有無に関わらず、性別や体格、仕事、収入、健康状態、人生観など多くのものを内包してしまう。「興味ない」という語り方すらも、「食べ物に興味がない、知識がない」人としての文脈に乗ってしまう。
だからうっかり語るのは恐ろしいし、他人の好みにダメ出しすることはその人自身のアイデンティティそのものを否定することになりかねない。
「お前の味覚おかしいな」と言うのは「お前の母ちゃん出ベソ=Son of a bitch!」と同系統の破壊呪文になり得る、ということだ。

ちなみにM・ナイト・シャマランの『サイン』では、
最後の晩餐なのにジャンクフードかよwwwテラ貧乏www
と、観客の失笑涙を誘うシーンがあった。

↓ジワジワくる名シーン
sign.jpg

********************************

「フード理論」でおなじみのお菓子研究家・福田里香さん著『まんがキッチン』には、『ハチミツとクローバー』に出てくる食べ物描写が素晴らしく、漫画にリアリティを持たせる効果を生んでいる、という指摘があった。
とても面白い本で、いろいろ頷きながら読ませて頂いた。
しかし残念ながら自分はウィンナー/ソーセージ系、中でも魚肉ソーセージが苦手だ。
だからハチクロを初めて読んだ時に

「うわっ、フシギ女の上に魚肉ソーセージ食ってる!はぐちゃんキモチワルイ!」

と、一気にテンションが下がって読むのを止めてしまった記憶がある。
単なる自分の好みの問題なので、それが理不尽な評価だということは十分わかっているが、「作品にリアリティを持たせることが出来る」ということは、親近感や共感と同時に生理的、感情的反感を生み出す諸刃の剣でもあるのだ。


まんがキッチンまんがキッチン
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とは言え、こういう「自分を晒す」系の話題にあまり慎重になりすぎるのももちろんつまらない。
好きなアイドルを聞いてるのに、
「あえて言えば…寺島しのぶさんの演技力はすごいと思います」
とか言われてもATフィールドが強すぎてキツい。
尻フェチでもドMでもスカトロマニアでも二次限定でも別にいいじゃん。人として信頼できるっていうことは、こういう場面で格好つけたり怯えたりせず、腹を割って話せるということだ。
最初はお互いドン引きしたとしても、きっとその先の話はもっと面白くなる。
何年か経って改めて読み直したハチクロは面白かったし、はぐちゃんは魚肉の香りとともにとても印象に残ってる。


いずれにしろ、好き嫌いを語る際には、それなりの覚悟と勇気と忍耐が必要なのかも知れない。
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アタマとカラダがズレたまま・・・

Category: 雑考  
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家のトイレはウォシュレットなのだが、実はボタンを押して一発で肛門に命中したことがほとんどない。
たいがい右臀部に当たる。
今日こそまっすぐに座ったぞ、と背筋を伸ばしてからスイッチを押すのだが、それでもズレることがけっこうある。
おかしいなあ…。

先日、旧甲州街道を歩いていたときのこと。
旧道なので、交通量が多い割に歩道がなく、結構危ない。
そこをウォークマンで音楽を聞きながら歩いていたら、轟音と共に右肩スレスレをトラックが通り過ぎていった。
相当たまげた。
でもトラックにたまげたことより、自分のたまげ方にたまげた。
なんか俺、今、すげえ運動できないオッサンっぽくなかったか?
マスオさんが驚いたときみたくなってなかったか?
おかしいなあ…。

ゴルフを始めてもう4,5年になる。
運動神経はそれなりに良い方なので、自己流ながらそこそこはうまいと思う。
それでも、たまにビデオで自分のフォームを撮影すると相当ヘコむ。
思っているイメージと実際が違い過ぎないか?
もう少しかっちょいいフォームのつもりだったんだけどなあ。

おかしいなあ、おかしいなあ…。


スポーツだけでなく、日常的で平凡な動作も、自分で見ると変ちくりんだ。
自分の姿をビデオに撮ると、なんてことはない普通の姿勢や歩き方にすら大きな違和感を感じる。
猫背、反り過ぎ、片足立ちといった基本姿勢のいい加減さに加え、立ち方や歩き方の癖が気になる。
でも背筋を伸ばそうと意識すると胸を張りすぎて変だしな…。
歩くときはもう少し膝を伸ばした方が美しい気がするのだが、そうすると大股になりすぎるから、歩幅の調整はどうすりゃいいんだ。もうワケワカラン。
ただ普通に立ったり歩いたりするのが、こんなに難しいことだったとは…。


姿かたちなどの「外見的な美醜」の問題や違和感というのももちろんある。
左から見た方が痩せて見えるとか、思ったよりハゲとるとか、録音された自分の声がキモイとか。
でもそれに加え、左から見た方が痩せて見えるからいつも不自然に顔を傾けてるとか、ハゲを隠そうと気にしすぎて挙動不審とか、自分の声もだけどそれ以上に話し方がキモイ、という問題――つまり自分の頭の中の認識と、実際の「動作、所作」のズレ、という意外な問題がある。
しかもそれは、どうやら自分で思っているよりずっとでかい。


ゴルフクラブをただ上げる、そんな単純な動作ですら認識と現実で大きく異なるのだから、たいがいの動作は自分が思っている通りではないのだろう。
いや、クラブがうまく操作出来ないのはしょうがない。身体だけじゃなくて道具を使っているわけだし、それにビデオに撮って練習していればいずれうまくなるだろう。
しかし、普段オレカッコイイと思ってやっているかもしれない、たとえば駅の階段を軽やかに駆け上がる動作とか、巧みにチャリを駆ってドリフト気味に後輪を滑らせて駐車し、ひらりと降りる動きとか、冷静さとタフさを装うために腕を組んで遠くを見つめるポーズとか、実はすっげえヤバいことになってるんじゃないか?
さらに娘と一緒に踊ってる「ガンバランスdeダンス」も、もしかして相当キモイのか!?(それはまあ鉄板でそうなんだが、意外に認めたくない自分がいる…)
そして残念ながら、ゴルフと違ってそれを確認することはなかなかない。




たとえばイラッと来た、不快だ、という表情を相手に50ムカダメージ(MD)ほど伝えるようとする表情が、自分が思っているよりずっとキツイ顔になって100MDも与えてしまうこともあるだろうし、逆にまったく伝わらず、3MD程度しか与えない、ということも、実は頻繁にあるのだろう。
その結果、自分の意図に反して「あの人はすぐにマジギレする」とか、逆に「あの人は鈍感すぎて何を言ってものれんに腕押しだ」というような誤解を生んでいくんだろう。つまり顔や仕草を使った広報活動やコミュニケーションのマネジメントに失敗している、と言っても良いのかも知れない。実際に本人が感じ、表現したのはまったく同じなのにも関わらず。

喜怒哀楽をはじめ、好意、許可、満足、苦笑、困惑、嫉妬、敵意、脅し、軽蔑、目配せ、その他様々なニュアンスの表情を人間は使い分けており、それは幼少期からミラーニューロン的なもので体得したり、劇演技のような感情表現の「型」を学んだりして身につけていくものだろう。

だけど、そう言えばその能力の習熟度を客観的に知る機会が人生の中にあんまりなくない?
ゴルフや野球のフォームはコーチや先輩がそのために指導してくれるし、ビデオに撮ってチェックもできるけど、オレの笑い方ってどんなんなん?とわざわざビデオに撮る人は滅多にいないだろう。
でもそれじゃ脳内イメージと身体とのズレを解消するような機会がないじゃないか。
それって結構困る。いや困ることにすら気づいていないことに困る。

でも、それを常に徹底してやっている人たちがいる。
テレビに出る人たち、特に俳優やアイドル、モデルなどは、いわばその特殊訓練を毎日徹底して積んでいるようなものだ。
ジャニーズや若い俳優は毎年どんどん新しい人が出てくるけど、当然みんな格好いい。
単に顔や体型がかわいいとか格好いい、ていうことだけではなくて、まず大前提として姿勢が良い。身のこなしが格好いい。安定感がある。見られるための訓練を積まれている。
一般人と決定的に違うのは、実はそこだ。
陸上選手が走るためのフォームを極め、水泳選手の肉体が泳ぐことに最適化されるように、役者やアイドルは「見せる/魅せる」という能力を自覚的に最大化させている存在なのか。

とは言えこんなアイドルもいる…けどこれが彼なりの自覚的なベストアンサーなのかも知れない。
そう思うと草なぎ剛、底知れねえ…。
「一本満足バー」



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【追記:2014.5.20】
武井壮が語った「スポーツが短期間で上達するコツ」が説得力あり過ぎてスゴい スランプ対策にも
http://logmi.jp/5734
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