しかし反撃もここまで

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『インサイド・ヘッド』ピクサーの終わりの始まり?

Category: 映画  
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『インサイド・ヘッド』を観た。
「あまり好みじゃなかった」というゆるふわな話をするので、人さまの迷惑にならないよう、公開が終わりDVD発売まで時間のあるこのタイミングで書く。

*********************

散々言われていたけれど、ドリカムの歌はせめて上映後に流してくれないと「ライリーだれやねん」状態でつらい空気が流れるから、こういう便乗の仕方は今後はやめて頂きたい。
まあディズニーとはそういうものだ、と言えばそうかも知れないが。

内容については、世間で言われている高い評価ポイントに異論はない。少女の何気ない仕草やビンボンのエピソード、記憶のメカニズムの表現、悲しみを含めた自分や他者の多様性を受け入れて人は成長するというテーマなど、見るべき点は山ほどある。
しかし、いつものように「やっぱりピクサーすごい!いやもはや怖い!」と思ったかと言うと、本作はちょっと違った。
好きか嫌いかで言えば、自分でも意外だがあまり好きではない作品だった。

確かにピクサーはこの十数年、素晴らしい作品を作り上げてきた。
ただでさえ優秀なクリエイターが、たくさん集まって議論し、トライ・アンド・エラーを繰り返し、それをジョン・ラセターや才能ある監督たちがまとめる、という手法は、天才的な監督の属人性に依存する職人型の日本のアニメよりはるかに効率的で合理的だし、思想的にもこなれ、アイデアも豊富で、これ以上のやり方はないように思われた。
(かつて自分もこんなエントリーを書いた)

「ジブリ創作のヒミツとキツすぎる葛藤400日」
http://shikahan.blog78.fc2.com/blog-entry-55.html


しかし、この映画を観て自分の抱いた感触は、最近のWIREDやCOURRiERの記事を読むような、ちょっと「いけ好かない」感じだ
(恐らく今回のエントリにあなたが共感するかどうかはこの文章にピンとくるかどうか次第だろう)

確かに頭は良いしセンスもいい。
でも、そういう方向でやるなら、もっと突き抜けないとちょっと物足りないし危うい。

誰かがこの映画を「人間は脳の中のナニかの乗り物じゃない!」と批判していたが、今どきそんな素朴な人間観を披露して怒る人がいるとは思わなかった。(じゃあお前の主体性とは、自由意志とは何なのか、見せてもらおうじゃないか!)
そうではなくて、この映画に突っ込むなら「所詮人間は乗り物だが、人間の脳の中はそんな単純じゃない」という方向だろう。
もちろん寓話なんだから科学的に正確で詳細であればえらい、というわけではないし、ちょいちょい「最先端の脳科学や心理学の知見を盛り込んでます」感は十分ある。
それにいわゆる「脳内会議モノ」でよく登場する分類、たとえば天使と悪魔とか、理性と本能といったいろんな候補の中から「ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリ」という素朴な感情に絞ったのは、当然「普遍的な(子どもの)成長」が主題であるという意図があったからだろう。

しかし、「天使と悪魔」のような大人向けの軽いコメディならともかく、普遍的に描くにはそもそものアイデアがうまくいっておらず(インタビューによるとヨロコビをリーダーとすることはやはりいろんな紆余曲折があったらしい)、結果としての「意識」のイメージは、あまり目新しくも納得行くものでもなかった。

それにそもそも、たとえば普段子どもと接する時に、この映画のようなある種のメタ視点を持たせるかどうかはかなり気を使う。
こういう視点を持つことが出来れば、自分の怒りや悲しみを客観視できるし、うまくコントロールできるようになるかも知れないが、それはそれなりに強力なイメージとなってその人の人生観や世界観を支配してしまう可能性があるから。
要するに世のすべてがそうであるようにバランスとやり方次第なのだが、この映画の描き出すイメージは、自分には、少々乱暴で、中途半端で、過渡期的なものに思えた。

『トイ・ストーリー』以降、クリエイティブで、合理的で、ポリティカルにコレクトで、老若男女全方位に対して訴求し、寛容で、何より面白くて、笑えて、泣けて、すべてにおいて隙がなく完璧だと思われ、愛されてきたピクサー。
しかし、ディズニー傘下となり、その強みが逆に枷となるならば、これは終わりの始まりなんじゃないだろうかという気さえした。
(だからといって、今度は天才の狂気や職人魂がエリート集団を打ち負かすターンだぜ、とは思わないが。)


とっ散らかっていろいろ書いたが、単に俺の考える脳内と違って気に食わない、という好みや人生観の話かも知れぬ。
これが素晴らしいイメージだと言う人もたくさんいるだろう。
そういう人をバカにするつもりも、文句を言うつもりもまったくない。

ただ、たとえば洗脳や思想統制や選民思想といったよくあるディストピアは、横暴な独裁者や強大な権力によってなされるのではなく、案外ディズニーやピクサーによってなされる日が来るのかも知れない、という想像をしておくのも良いんじゃないか。
もちろん陰謀脳になれ、という意味ではないけれど。

うまく言語化できなかったし、誰かを納得させたいわけではないが、少なくとも今の時点では、自分にとって『インサイド・ヘッド』は好みではない作品だった。

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