しかし反撃もここまで

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逆張りだけが人生か

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自分が株取引をやっていたのは2003年から2007年頃だ。
日経平均で言えば\8,713(2003/01/06)から\17,225(2006/12/29)へと倍増した幸せな時期だったため、典型的なカモでクズ投資家の自分でも利益を出せた。
その後平均株価は一気に下降線を描くわけだが、幸いその惨事にも遭遇せずに済んだ。
これも危険を予知して資金を引き上げたわけではなく、たまたま個人的にも会社もキャッシュが必要な状態だったため引き上げただけで、まさに運だけで勝ち逃げしたようなものだ。

さて、当時自分の基本的な投資法は、いわゆる「逆張り」だった。
野村證券HPの証券用語解説集には
「相場が悪い時に買う、あるいは、相場が良い時に売ること。」
とある。まあ要するに、多勢とは逆のポジションを取り、安く買って高く売る、ということだ。
ちなみに対義語は「順張り」。

自分は別にどこか特定の企業を応援するつもりでもなければ何らかの主義信条を元に投資したわけではない。
有名投資家の必勝理論とやらに感化されて実践してみたわけでもない。
ただ単純に、小器用に立ちまわって小銭稼ぎしたかっただけだ。
だから「逆張り」という方法に別にこだわらなくても良かったはずだし、実際それ以外の方法で売り買いすることもあった。
「逆張り」は基本戦略であったけれど、ただの手法、ポジションに過ぎず、そこに思想はない。
ただし好き嫌いはあっただろう。
資金量や情報入手スピードの限界などから順張りしにくいという合理的な判断ももちろんあるが、それ以前に、どうも順張りというのは性に合わなかった。
悪く言えばその度胸がなかった、という事かもしれない。
上げ相場でみんなが注目している株に投資して、うまいこと利ざやを稼ぎ、勝ち逃げするよりは、皆が悲観している時に割安で拾ったり、まだ注目されていない割安な企業を狙う方が、ずっと「安全」で「容易」な気がした。


さて。
学校一の美人を応援し、取り巻きの一員となっておこぼれをもらう、またあわよくば彼氏になることを目指すより、地味で控えめで図書委員なメガネっ娘だけど実はダイヤの原石、って娘の方がオレは好きだ。

思春期には日本のオリコンにはほとんど興味がなかったけれど、英米のビルボードには詳しかったし、せっせと輸入盤などを漁ったもんだ。

みんなが絶賛している本、映画やドラマ、漫画にアニメなどには、まず批判的な態度で臨みがちだ。

これはおかしいと思うような言説が流行ったら批判してみるが、批判の声が盛り上がり過ぎると、今度は「いやいや待てよ。再評価してみようよ」とか言ってみたりする。

選挙権を持ってから十数年、棄権をしたことはなかったが、投票した候補が当選したことはほとんどなかった。
しかし、自分の支持政党があるわけではなく、また自分に利害のある政策や公約を精査するのではなく「恐らくこうなった方がバランスが取れていいだろう」といった相対的価値観で投票してしまっていることが多かった。

こういう態度は、天邪鬼や反権力・反体制、心情的な判官贔屓、ニヒリズム、アウトロー、斜に構える、反抗期、アンチイズムなどいろんな言葉で表現出来る。
第三者効果とかアナウンス効果と言ったメディア論で使われる言葉もある。
でもどうもしっくりこなかった。
天邪鬼と呼ぶにはピュアでなさ過ぎるし、反権力・反体制と呼ぶには理念がなさ過ぎる。
判官贔屓が理由というわけではないし、反抗期と呼ぶには温度が低すぎる。

しかし今、自分の人生を振り返ってみると、その行動原理を表す言葉は「逆張り」だったのでは、と思う。それも非常に無自覚に。
要するに、自分には主義信条や思想、志、主体性、意思などと言うものは実はほとんどなく、あるのは「損得勘定」と「ポジション」ばかりなのだ。



もちろん、客観性や批判精神を持つこと、大勢に流されないことはとても大切な事だ。
仮に条件反射的なポジショニングだったとしても、そういう態度は多くのことを自分に教えてくれたし、物事を見る目を養ってくれたと思う。
人と違うことをしたり、安易に迎合しないためには必要不可欠な態度とも言えるだろう。
それにもし自分が主体的に行動しなくても、何かを監視、批判する人間というのは、社会全体で見た場合には価値がある存在だろう。

しかし「逆張りをする」ということの真意は、要するにリスクヘッジのためなのだ。
誰もが認める美人にみんなの前で告白して玉砕するのは辛いよね。
誰もが知ってる流行歌より、マイナーな洋楽を語った方がショボいと思われにくいだろ。
月9見て泣いてると、どうもバカと思われるらしいからやめておこう。
民主党に投票して政権交代が実現したものの、そこで建設的な議論をするより問題点をたくさん挙げておいた方が、失政をした場合に揚げ足を取られなくていいだろう。
本当はブログで絶賛したい本も映画も主義主張もたくさんあるのに、「良い」ということによって発生する責任を負いたくないから、テキトウに斜に構えたな態度でいよう…。

偽善や欺瞞、嘘やごまかしに騙されない、というリスクヘッジもあるが、より重視していたのは、「自分が責任を負わない」ためのリスクヘッジなのだ。
それは、果たして正しい態度なのだろうか。
俺は自分自身の人生を生きているのだろうか。
単に「プレイヤーとそれ以外」という問題なのだろうか。
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