しかし反撃もここまで

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「みんなでニホンGO!」について思う的な

Category: テレビ・ラジオ  
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2010/7/1(木)に放送された「みんなでニホンGO!」(NHK)の特集は、
・”だましのテクニック 詐欺師の言葉を徹底解剖”
・”「わたし的に」は日本語としてGO?NO?”
の2本だった。

”だまし”の方には以前紹介した香西秀信氏が詐欺師の詭弁について解説していた。
この人の本はちょっと書き方に癖がある、というか修辞学を語っていながら結構文章に
感情が出ているなと思ったので、テレビでの挙動不審ぶりをちょこっと期待したが、
普通に解説していてちょっと残念。
今後こういう番組の解説にいろいろ出てきそうな予感…討論番組での審判とかマジでどうよ。

ちなみに司会の3人(船越英一郎、山崎弘也、松本あゆ美)の組み合わせは正直失敗している。
NHKの教養系バラエティは、教養を求める層にもバラエティを求める層にも訴求しようと
して一兎をも得ず、ということになりがちだが、特にアンタ山崎の空回りっぷりは気の毒で、
この人はやっぱりしっかりとしたツッコミがいないとまったく機能しないのだな、という
ことを毎回見せつけれられて悲しくなる。パスが全く来ないのにボール要求のジェスチャー
だけでチーム1のカロリー消費量(走破距離ではない)を誇る孤独なフォアードみたいな。

ロンハーではあんなにイキイキとしているのになあ…。


さて、それより問題は”わたし的に”の方だ。
「お茶的な何かをちょうだい」という「的」と、「わたし的にはOK」の「的」の用法を
ごっちゃにしたまま番組が進行し、例によって例の如く日本語特有の曖昧さとか優しさ
表現云々、としたのはちょっと問題だった。
このふたつの用法はまったく違うでしょ。

それでも興味深かったのは、世界的に「◯◯的な」や「it's like that」にあたる表現が
流行していて、単に日本語の曖昧表現ってだけの話ではない、としたところだ。
これホントなのかなあ。

ただ、もともと「的」の用法の区別がいい加減なまま話が進んでいたので、ここで言う
「it's like that」が「的な」だとしても、それが
「ごはん食べたい…的な」というぼかし表現として使っているのか
「スティーブ・ブシェミ的なヘンな顔」という表現のどちらなのかがちょっとよく
わからなかった。
「it's like that」単体なら「そういうこと」ぐらいの意味だし、その後の韓国語での
使われ方の解説からすると前者っぽいのだが…。

ブシェミ2 (2)
ヘンな顔の人

で、自分は番組を見ながら、これは恐らく後者(ブシェミ)の意味なんだろうと
予想して、きっとこういう結論になるんじゃないかとその場で勝手に想像した。


世界的に「(まるで)◯◯のような」という意味の「◯◯的な」にあたる表現が流行
している、というか使用頻度が上がっているとして、その理由はなぜか。
それは共有する知識とか情報とかが爆発的に増えたからだ。

つまり、「ああ、ジャイアン的な存在なわけね」とか「タランティーノ的な音楽の使い方」
とかいう表現はごく日常的になっているが、それは当然ジャイアンとかタランティーノを
知っているという前提が必要なわけで、そういう知識と情報はこの数十年で(商業化とか
ポストモダンとかグローバル化とかネットとか要因は複数あるだろうか)世界的に、
そして各国において幅広い社会階層に拡大したことは間違いない。

ここでいう「知識と情報」ってのは、かつて「教養」と呼ばれたものだ。
東浩紀の「動物化するポストモダン」を読んだとき、視野がいきなりひらけたような
新鮮さを覚えたけれど、同時にこう思った。
データベースっていうのは結局かつては一部の人達だけが有した「教養」と呼ばれた
もので、たとえば江戸時代の貴族も
「人麻呂っぽい歌デキタヨー\(^o^)/」
とか言ってただろうし、赤シャツみたいな奴が
「あの島はターナーが描いたみたいだからターナー島さフフン」
とかって言ってたじゃん。
そういう「教養」がなかった普通の庶民たちは隣村に行っただけで共有する知識が激減
するわけで、せいぜいお天道様のような人柄とか馬の糞みたいな顔だとかのレベルの
貧しいデータベースしかなかったわけだ。

ここで言いたいのは「形式の戯れ」やオタク文化の嚆矢を江戸に見出す、という話ではなくて、
大きな物語の喪失云々ということよりも、知識、情報の絶対量とそれを有する人間の
絶対数の比較にならない劇的な増大と広がりが、何よりもまず重要、というか大前提
なんじゃないかということだ。
人口ボーナスとかユース・バルジ的な身も蓋もない言い方だが。

で、戦後になって国民の生活水準や経済、教育、娯楽、文化などが発展したことで、
かつて「教養」と呼ばれていたものはめでたく大衆化する(もちろん専門化、タコツボ化
などの問題も存在するが、かつての馬の糞の村化よりはよっぽど広範囲の集団だ)。

それによって、小説、詩、映画、音楽、漫画、論語、聖書、教訓話、故事成句、
政治家や芸能人などの有名人、話題のニュース、事件事故、各分野の専門知識など、
引用できる過去/現在の遺産が莫大に積み上がり(=「スターウォーズ的な」的な)、更にその
それぞれは分析、分類、タグ付けされ(=「キャンベルが言うところの”守護者”的な」的な)
その上バカな俺でもその遺産の山から検索して引き出すこと自体は容易だ(=「ユース・バルジ的な」的な)。
要するにサンプリング的な、とかシミュラークル的な、ていう時代の話ですよ。
そんな状況なので、「◯◯的な」「◯◯みたいな」という表現が多くなるのは現代社会において
必然のことだし、名詞の後ろに「的」を付けるだけでデータベースを分類、属性化出来るんだから、
これほど便利な言葉はないだろう。

で、なんでこんな付け焼刃の知識でテキトウなことを言い続けてきたかというと、「的に」に
代表されるようなものをコモンセンス、教養、人類の叡智の蓄積と考える基本に戻るならば、
過去や現在の愚かな行い、類型的な問題に対して人類はもっと客観的に、自省的に
なれるんじゃないだろうか、という建設的な想像をしたかったから。
何千年と繰り返しているしょうもない争いを、「それヒトラーも言ってたからやめようぜ」
みたいに言って避けることで、より有意義な議論になれるはずだ。
いや、もちろんそんなことは紀元前から繰り返されてるはずなんだけど、どうも
いまひとつ実効性がないというか…。
科学や数学のような理系分野については、「万有引力の法則」「微分・積分」といった過去の
偉大な遺産をそのまま受け継げる。
でも、思想とか哲学とかももちろん有史以来の蓄積があるけど、もっと現実的な問題として、
あるいはテクニカルな問題として過去の蓄積を活かせないもんか。
だって、あまりに毎回幼稚なとこからスタートしてないか人類?
右、左、保守、リベラル、原理主義…それらは殆どの部分は、思想とか理念ではなくて
「症状」と呼ぶべきものじゃないか。
このブログだって、「オレ様がこんなこと発見しちゃったもんね!」というエントリに
「それ18世紀に話題になってますけど乙」みたいなコメが付いてくれたらオレ成長、
て気持ちもあった(けど今んとこ過疎過ぎて機能不全)。
要するに、学校で「いわゆる厨二病というものがあって、たとえば…」とか、
「典型的なカルトとそれに騙される心理について」とかいう授業があっても
いいんじゃないか。
もちろん安易なレッテル張りや思考停止を招くリスクもあるが、とは言え考える力とか
情操教育とかいう美名の下に、国語や道徳の授業があまりにボンヤリしすぎてないか。
センスなんて学校でならうもんじゃないんだからもっと実務的なことだけやればいいじゃん。
万有引力の法則を教えないで、ただりんごを落としてみせてドヤ顔してるような授業は
もう止めちまえよ。


というわけで、「◯◯的な」という用法が世界的に流行している、という不確定な情報から
いろいろと思い巡った不毛な作業はこの辺で終わりにして寝ます。


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「みたいな」といえばキンコメの今野。


「it's like that」Run D.M.C


関連エントリ:『「本当の自分」が残念でも、直視して、受け入れよう』

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