しかし反撃もここまで

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【『モテキ』感想】 男とか 女とかより 誰かだろ

Category: 漫画・アニメ  
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ドラマ版「モテキ」が面白かった。
テレビ東京「モテキ」
http://www.tv-tokyo.co.jp/moteki/



モテキ (1) (イブニングKC)モテキ (1) (イブニングKC)
(2009/03/23)
久保 ミツロウ

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【ご参考】
久保ミツロウインタビュー前編(インサイター)
久保ミツロウインタビュー後編(インサイター)
久保ミツロウ×大根仁対談(ro69)

まず原作について。
この漫画の登場人物には、当然作者・久保ミツロウ自身が色濃く反映されている。
より具体的に言えば、彼女にとっての&彼女が考える世間にとっての

憧れる男性/女性
なりたい男性/女性
嫌い・苦手な男性/女性

そして
過去/現在/未来の自分

などが反映されているが、それが各キャラクターに明確に割り当てられているわけではなく、結構未整理なままフジや中柴いつか、土井亜紀らの主要登場人物に少しずつ配分されている。

で、そういったキャラの言動に対して「作者は女なのに男の気持ちがよくわかってる」とか「女の子のリアルな感じがよく描けてる」みたいな評価をしてしまうのは、若干違和感がある。
シンプルな反論としては、あまりにも短絡的に「男って」「女はみんな」みたいに言うのは、いい加減やめようぜ、って話だ。
これは「女の作者が描いた割によく出来てる非モテ男の話」でも、「女性漫画家が描くセキララな女子のホンネ!」でもなくて、やっぱり「久保ミツロウの話」以外の何物でもない。
だから「最強伝説黒沢」とか「ルサンチマン」みたいなものを求めて読んだけど期待外れだった、と批判するのは「ガラスの仮面」読んだけど全然ヌケない!と因縁付けるくらい的外れだし、↓のリンク先みたいに、リア充の女作者が男に勝手な要求を突きつけやがって許せん、みたいな驚くべき幼稚さと安っぽい鬱屈と自己愛を露呈するような批判は論外だ(ただし、名前からして作者が男かと思ってたのに女かよ!という不幸があったことは気の毒に思うが)。

Togetter「恋愛を、社会的成長にすり替えるのは辞めていただきたい」
http://togetter.com/li/48826

女性の描き方についても同様だ。
彼女自身も、部分的にしろ自分が女性代表みたいに言われることには強い違和感を持つだろう。
「女だから女の考える駆け引きはわかるんだろ」と男に言われても「女もいろいろだべさ…」と困惑する女性が多いのは自明なわけで(男も当然そう)、そんなに単純化して評価/批判できることでもない。そうやって世の中を認識するのが楽なのはわかるけど、あくまで「久保ミツロウだから」こう考えた、描いた、ということを丁寧に考えていかないと零れ落ちるものが多すぎる。


また、誰もが文句を言いたくなるフジくんのダメぶりや設定の甘さ(それなりに共感しながら読んでいたものの、さすがにこいつはヤバいわと引いてしまい、恋愛とか言ってないでとりあえず病院行ってそれからハロワ池、みたいな感想)ももっともだけど、しかしそれは作品として批判されるべきことなのだろうか。

この話は成長物語のようであって、確かに部分的にはそうではあるけれど、しかし実は久保ミツロウの私小説的独白、あるいは漫画を描く事によるセルフセラピーや自己分析の寄せ集めみたいなものだ。
だから物語としての構造ははっきり言ってテキトウだし(読み切りのはずが人気が出て継続継続…という事情もあるからやむを得ないが)、作者の悪い面が投影されたフジくんがクソですね、と言うことはすなわち久保ミツロウがクソですね、ということであり、それに対してはそうなんだろう、としか言いようがない。
実際、彼女の恋愛観というのは恐らくは相当に幼稚だ。インタビューなどを読む限り、正直モテないだろう(失礼)。

でもさ、いいじゃないか別に。
恋愛観が幼稚でモテねえから描いてんだろ。

久保ミツロウを「恋愛対象」としてどうかと思うのは個々の読者の勝手だけど、自分自身を格好付けないでそのまま作品に出してるんだから、クリエイターとしてはいい仕事してるし、信頼できるってことじゃないか。


なんていう話は、作者が男だったら最初から分かりきってる話だろうにな、と思う。
男だったらみうらじゅんや伊集院光や花沢健吾や本田透やサンボマスターやその他モテない系芸人のみなさんとかのおかげで、非モテだということを客観化する、相対化することが比較的容易で、それは彼ら自身にとっても、真剣に悩む童貞真っ最中の人にとってもものすごくありがたいことだ。自分もかつて、
「ああそうか、みんなモテないつらさは一緒なんだ」
「格好つけないで、童貞や非モテをこじらせてる必死さ、滑稽さを自虐的に笑ってもいいんだ」
と気付いた時は、どんなに救いになったことか。
実際みうらじゅんや伊集院光が「DTを応援」と言い始めた頃は、恋愛至上主義とか無駄に見栄を張り合うことに対するアンチとして童貞を評価していたはずだ。

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花沢健吾「ルサンチマン」や本田透「電波男」などは、非モテの自我が現実とどう折り合いをつけるか、あるいは折り合いなどつけないでいかに別次元に跳躍してしまうかについての切迫した問題を描いて、それはある種の「救済」になっている。

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「40歳の童貞男」「スーパー・バッド」「寝取られ男のラブ・バカンス」などアメリカ映画には「男のためのラブロマンス」というジャンルがあり、それらは現実との折り合いをどうやってつけ、社会の中で成長するか、という構造になっている(まだ社会との断絶をさせないところに日本と違って希望がある・もしくは古い!とも言えるかも知れない)。

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そして今や、童貞が開き直りすぎて、アニメのキャラや声優にネタじゃなくガチにキレる奴すら出てくる始末。


でも、女性漫画家や女性作家などにとってここらへんの問題は難しい。まだいいロールモデルもいない気もする。
近年は腐女子とか喪女とかいう分類もあるけど、それをうまく体現するような有名人、というのは構造的に現れづらい。
テレビ的にマズいとか、男性に嫌われるとか、男性に嫌われる故女性にも嫌われる(ひえ~)、といった理由もあるのかもしれない。
林真理子とか安野モヨコとか勝間和代とか、名が売れるとすぐにモテ方向に面舵いっぱい切る人がいるのも惜しい。それもメディア上で活躍する以上はしょうがないし、当然責められるべきことではないのだけれど。
男は非モテ宣言することによってモテる、ということがあり得るけど、女性の場合はなかなかないから、そういう出口を想定しづらいんだよな。

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くらげは実は自分だけ「本当はかわいい」素質を持っていてずるい。

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じゃモリマンとか森三中とかオアシズとか?(テレビブロスで連載している光浦靖子の「傷なめクラブ」は全米が泣いた)

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しょこたんみたいに完全に男性性へのコンタクトを排除する、という手もあるかも知れない。
ナンシー関は死んじゃったしな…。
辛酸なめ子は、客観性や分析力があるようでまったくない感じもしていて、自分には未だによく分からない。
はるな愛とかマツコ・デラックスみたいな所謂おネエキャラというのは、もしかしたら無意識にこういうゾーンの受け皿(いや、はけ口?なのか)にもなり得ているのかも知れない(昔からオカマキャラはある種のジョーカー、治外法権的強さを持っているが)。

まあでも、例えばバブルの頃に比べればずっと風通しの良い、価値観の多様な社会になっている、とも言える。そういう意味ではネットはありがたいよ。

「喪女のまとめブログ」
http://blog.livedoor.jp/takeit8/

「喪女が、出会い系に挑戦したんだが」
http://mamesoku.com/archives/2569817.html

「デートって確か…」
http://mogeonna.seesaa.net/article/37680314.html


話が横滑りしすぎたが、そんなわけで、「モテキ」は無理な自己投影をしてケチを付けたり、硬直化した男性観、女性観を押し付け合って無駄に苦しむのではなく、久保ミツロウ先生を観察する目的で読み、そこから共感できる点、普遍的な点を拾い出すくらいの気持ちで読めば大変楽しめる作品だと思います。



あれ?ドラマ版の話をする予定だったのになあ…。
しょうがない、長くなってしまったのでドラマ版については…面白かったよ!でいいです。
特に最強布陣を集めた女性陣の奇跡的な配役は素晴らしかー。
あとは、ようやく俺ら世代がストレートに笑えるミクスチャーの元ネタが揃ってきた感じが素直に楽しい(まさか満島ひかりで打ち上げ花火が見れるとはどんだけ俺得)。
タランティーノ大好き!とか言ってみても、元ネタが全部理解できてしかも懐かしさを感じられる日本人なんてほとんどいないだろうからね。
それは良し悪しや優劣じゃなくて、ウクライナ人が日本の懐メロ番組見てもピンと来ないのと一緒で、ある文化や知識を共有できる世代や集団というのがある、というだけの話なんだが。



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テーマ : 漫画の感想    ジャンル : アニメ・コミック

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